VIA Technologies, Inc.

ニッカウヰスキー工場現場に採用

集合写真(左より)

VIA Technologies Japan株式会社 インテリジェント ソリューション事業部 アシスタントセールスマネージャー Sandra Liao

VIA Technologies Japan株式会社 インテリジェント ソリューション事業部 PMディレクター Cody 世羅

ニッカウヰスキー株式会社 北海道工場 製造部 安全プロモーター 篠原久史 氏

ニッカウヰスキー株式会社 北海道工場 製造部 フォークリフト担当 本間英則 氏

ニッカウヰスキー株式会社 北海道工場 製造部 ホイールローダー担当 一瀨尚太 氏

ニッカウヰスキーでは、北海道工場内で作業を行っているフォークリフトとホイールローダーに、AIによる歩行者検知用カメラを搭載したVIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システムを導入した。フォークリフトの安全性向上という社会的課題に対する解決策を提供しているM500を導入することで、同社ではAIテクノロジーの活用分野における付加価値を創造し、イノベーションと工場内の安全性向上に積極的に取り組んでいる。

  • 目視に頼っていた作業者と見学者が混在している工場内の安全管理

――ニッカウヰスキーは、どのような企業ですか?

篠原(ニッカウヰスキー):竹鶴政孝が「日本人に本物のウイスキーを飲んでもらいたい」という思いを胸に、ニッカウヰスキーを創業したのが1934年のことでした。それ以降、「パイオニア精神」「品質第一主義」という理念のもと、ウイスキーを中心としたお酒づくりに情熱を傾けています。

――その中で北海道工場は、どのような役割を持っていますか?

篠原(ニッカウヰスキー):ニッカウヰスキーは、北海道余市町と宮城県仙台市にウイスキーの蒸溜工場を持っています。北海道にある蒸溜工場は「余市蒸溜所」と呼んでいます。その余市蒸溜所では、ウイスキーを蒸溜し原酒を作って木樽に貯蔵し、貯蔵後の原酒をブレンドし、びん詰め工場へ搬出するというところまでを担っています。余市蒸溜所はニッカウヰスキー創業の地であり、蒸溜所の場内にまでお客様が入れるようになっているので、どうしても工場の作業と見学者が交錯する場所があることで、今回VIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システムの導入になりました。

  • M500の2PDパッケージをデモで効果を感じ、より安全性が高い3PDパッケージを導入

――ニッカウヰスキーの北海道工場ではどのようなことに悩まれていたのでしょう?

篠原(ニッカウヰスキー):北海道工場内では、お客様の見学ツアーが常時行われています。そのため、お客様と作業中のフォークリフトが同じエリアで活動することがあります。そこで、お客様の安全性の確保について懸念を持っていました

――これまで、北海道工場内における安全管理はどのようにやられていたのでしょうか?

篠原(ニッカウヰスキー):フォークリフトドライバーの目視管理と、近くに作業員がいる場合には作業員がお客様の誘導を行っていました。お客様が立ち入るエリアには警備員が立っていて誘導していますが、警備員の目の届かない所で予期せぬ場所へ立ち入ってしまう可能性はありました

当社では工場内の安全管理をかなり厳しくやっていますので、フォークリフトと動線が交錯する場所ではフォークリフトの誘導と人の誘導をしています

――そのような課題があった中で、AIによる歩行者検知用カメラを搭載したVIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システムを導入した経緯を教えてください

篠原(ニッカウヰスキー):もともとは作業員とフォークリフトの接触のことを考えて、本社から紹介されたのですが、北海道工場では、「見学に訪れるお客様との接触対策に使えるのではないか」と考えてデモ機を実際使ってみることにしました。

図1:VIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システムの本体

――実際に使ってみるまで、どのような懸念がありましたか?

本間(ニッカウヰスキー):北海道工場が位置する余市町は小樽から車で西へ約30分の場所にあります。余市の冬は寒く雪もかなり降ります。そこで市販されている外付け品の耐久性が心配するところでした。

――その後、VIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システムの2PDパッケージをデモで使っていただきました。どのような感想を持たれましたか?

篠原(ニッカウヰスキー):最初はリアとバックにカメラを備えた2PDパッケージを貸し出してもらい、人検知とドライバー検知のデモを行いました。また、冬の寒さ対策としてカメラやパッケージを車外ではなく車内に取り付けるといった柔軟な対応をしていただきました。

本間(ニッカウヰスキー):1メートル、2メートル先の人を検知できることに、まずびっくりしました。そして、背面でも2メートル、3メートル先に人がいるとアラームが鳴るのには安全管理に役立つと思いました。

図2:フォークリフト車内の天井部に取り付けたM500

――正式採用は、カメラをリアに1台、サイドに2台搭載した3PDパッケージでしたね

篠原(ニッカウヰスキー):デモ機で借りた2PDパッケージでも十分威力を発揮しましたが、北海道工場はお客様がかなり多いということもあり、もっと多方面にも広く見えた方がより安全を守っていけるのではないかということで、AIによる歩行者検知用カメラをリアに1台、サイドに2台搭載している3PDパッケージを採用することにしました。そこで高い効果を得たので、工場内の作業に使用しているフォークリフトとホイールローダーへ正式採用することを決めたのです

――VIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システムを導入してから問題は発生しましたか?

一瀨(ニッカウヰスキー):導入してから雪が多く降り、カメラに雪が積もることを懸念していたのですが、今はカメラを室内につけていただいたのでカメラには影響ありません。

本間(ニッカウヰスキー):雪が降り積もると路面がガタガタで振動があるほか、前が見えないくらい吹雪の日もありましたが、今のところはとくに問題は出ていません。

――フォークリフトだけでなくホイールローダーにもM500を取り付けていますね。

一瀨(ニッカウヰスキー):北海道工場では装着したバケット(前面付いたショベルのような附属品)を高く持ち上げられる建設機器「ホイールローダー」を石炭運搬用に使っています。当工場では人の手で石炭をくべ、その熱でウイスキーの蒸溜を行う「石炭直火蒸溜」を行っているからです。ただホイールローダーのガラスには格子がついているほか、バケットを持ち上げた際に視界が狭くなります。そのせいで周囲の人を認知しにくくなくなるのですが、M500のカメラを付けたおかげで死角にいる人でも認知できるようになりました。動かすのをためらう場面やヒヤリとする場面を防げていると思っています。

―ホイールローダーのVIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システムは作業員向けですよね。

一瀨(ニッカウヰスキー):作業中は蒸溜所内へお客様の立ち入りは禁止にしています。そのうえホイールローダーを動かす際には、お客様が入らないように仕切りを作って作業しています。そのためお客様とは直接接触するということはないのですが、自由に見学できる工場ですので不意に人が入ってくる可能性もゼロではなく、入ろうと思えば入れてしまいます。そういう想定外の人の侵入があった場合でもM500のカメラがあれば認知ができると思っています。

図3:M500のカメラをッ装着したホイールローダー

図4:人を検出して表示してくれるM500の車載モニター

――M500にはアラーム音量や人の感度の調整などができる専用アプリがあります。

一瀨(ニッカウヰスキー):実際にアプリを触ってみたところ、操作性は難しくなく意外と簡単に調整することができました。人の感度の調整も問題ありません。まだ全てのアプリを使い切れていませんが、今のところは特に問題は起きていません。

――アプリに関しては、現場の担当者でも分かりやすい作りにはなっているのですね。

一瀨(ニッカウヰスキー):そうですね。フォークリフトの担当から聞いたのですが、人に対する感度が良すぎたときにアプリを調整する必要があるのですがスマートフォンを開いてすぐに使えたということです。難しいものではないので、使用感はまったく問題はないとその担当者からは聞いています

――ありがとうございます。もしM500に対するご要望があれば教えください。

篠原(ニッカウヰスキー):せっかく人を検知できるようになりましたので、その人物検知とブレーキが連動したら「すごいことになる」という話はスタッフから挙がっています。

一瀨(ニッカウヰスキー):特別強く要望しているわけではないのですが、レバー操作になっているホイールローダーは、停止状態でも人を認知した時にはアラームが鳴ることがあります。停止している状態なのに「ブレーキかけてください」とアラーム音が鳴ってしまうことが気になります。

世羅(VIA):人物検知とブレーキとの連動は、今、開発中で、多分年内にはリリースできると思いますので、是非期待してお待ちください。それ以外のご要望についても、当社では柔軟に対応させていただきます。

あとがき

ニッカウヰスキーは、アサヒグループの酒類事業会社として存在する日本の洋酒メーカーだ。その同社の創業の地である北海道余市町にある北海道工場では蒸溜所見学も行われているため、AIによる歩行者検知用カメラによりフォークリフトと歩行者の接触事故を防止するVIA Mobile360 フォークリフト安全システムを導入した。このことによりVIAの安全システムが同社の安全管理の徹底に寄与しているといえるだろう。

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製品情報:VIA Mobile360 M500 AIフォークリフト安全システム

技術名称:建設機械・フォークリフトの安全システム「VIA Mobile360 M500」

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NETIS登錄日:2024/05/20

最終更新日:2024/06/24

NETIS登録番号:KT-240040-A

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